2026.07.23
投稿日:2026.06.16
目次
工場のサーモバリア効果測定の基本は、「屋根裏・屋根下・作業高さ・外気」の4点温度と、空調電力・電気料金を導入前後で同条件計測し、差分(Δ℃・ΔkWh)と削減率で比較することです。
実証実験では、遮熱シート施工により屋根裏温度が最大9℃、暖気塊約4℃、室温4〜9℃低下し、冷房電力が18〜27%削減されたデータがあり、効果測定の目安として活用できます。
効果測定を社内報告に活かすには、温度グラフと電力削減に加え、「WBGTの改善」「熱中症リスク低減」「残業・不良率の変化」など働き方・品質指標もセットで示すことが有効です。
日本いぶし瓦は、サーモバリア遮熱導入前後の温度データ取得方法と効果測定のポイントをブログや提案資料で紹介し、工場の暑さ対策を「数字で検証し、次の一手につなげる」取り組みを支援しています。
工場のサーモバリア効果測定で最初に決めるべきなのは、「どの指標を、何と比較して”効果あり”と判断するか」です。
この点から分かるのは、「涼しくなった気がする」「電気代が少し下がった気がする」といった感覚評価では、社内稟議や多拠点展開の根拠としては弱く、温度・電力・稼働条件を揃えたデータ比較が不可欠だということです。
感覚評価に頼ってしまうと、夏の終わりに「今年は例年より過ごしやすかった」と結論づけたくなりますが、外気温がたまたま低かっただけという可能性も否定できません。施工直後の満足感と、中長期のROIは別物として扱い、客観的な数値で検証する姿勢を最初に決めておくことが重要です。
実務的には、「温度(屋根裏・作業エリア・外気)」「空調電力(kWh)」「稼働条件(換気・ライン・人員)」の三点を導入前後で同条件測定し、差分と削減率で評価する方法が、工場の現場でも採用されやすいといえます。
他社の実験・検証結果から、サーモバリアを含む遮熱シートでよく見られる目安は次の通りです。
サーモバリア共同実験(静岡大学・ライフテック)
他社遮熱シート・塗料の検証
こうした公表データは、自社工場で「何度下がれば成功といえるか」「電力が何%削減されれば投資回収に見合うか」を考えるうえでの”物差し”として活用できます。測定に入る前に、これらの数値を社内で共有しておくと、結果が出たときの評価もスムーズになります。経営層や現場の責任者と「成功の基準」について合意しておくことは、効果測定の設計そのものと同じくらい重要な準備です。
現実的な判断としては、「導入前に決めた測定条件を、導入後もそのまま再現する」ことが、温度比較の基本です。施工後に新しく測定ポイントを追加したり、機器を変えたりすると、「導入前と同じ物差しで比べた結果」とは言えなくなるため、設計段階から条件を固めておく必要があります。
測定ポイント
測定機器
サーモバリア導入前に同様のポイント・機器で測定しておくことで、「導入前後の差」が明確に比較できます。センサーの固定位置は写真で記録しておくと、導入後の再測定で同じ位置を再現しやすくなります。機器の校正日も記録しておくと、後で結果を検証する際の信頼性が高まります。
測定期間
真夏の晴天時、少なくとも数日〜1週間(168時間)の連続測定が理想。
条件合わせ
「同一日の同時刻で導入前後を比較し、外気温との差分で評価する」という手法は、他社の遮熱シート効果検証でも推奨されている基本です。毎年の気象条件は異なるため、気象庁の日射量データなどを参考に「同等の晴天日」を選ぶ工夫もあわせて行うと、比較の公正性がより高まります。
こうした指標を使うことで、「外気が去年より暑いのに室温は下がった」といった、サーモバリア固有の効果を可視化しやすくなります。特に「外気との差分」は、夏の外気温が毎年異なるという問題を吸収できる優れた指標です。絶対値だけで比べると「今年は涼しかっただけ」という反論が出やすいため、差分とセットで示すことが説明力につながります。
温度だけでなく、「電力削減」と「現場の変化」を測ることで、投資判断の材料として説得力のある効果測定になります。温度データは遮熱シートの直接的な性能を表す指標ですが、経営層が最終的に見たいのはコストと人への影響です。この両方を同時に計測することで、「環境が良くなった」だけでなく「いくら得をして、誰が助かったか」まで語れる報告になります。
遮熱シートの比較解説では、「空調消費電力の削減率と回収期間を数値で示すことが合意形成のカギ」とされており、kWhと料金の両方で比較することが推奨されています。電力単価は年度によって変動するため、kWh(物理量)と料金(金額)を分けて示すことで、電気料金高騰時にも効果を正しく見せることができます。
日本いぶし瓦の「働き方改革」とサーモバリアを扱った記事でも、「温度データ+働き方指標」を合わせて見ることで、単なる設備投資ではなく”人への投資”としての効果を説明しやすくなるとされています。WBGTは労働安全衛生の現場でも使われる指標であり、労務担当者にとっても馴染みがあります。人事・安全衛生部門を巻き込んで効果測定することで、社内の複数部門が同じデータを共有し、次年度以降の予算化にもつながりやすくなります。
他社の検証では、屋根表面温度の比較表(平均11.6℃低下など)や倉庫内部温度の低下表が使われており、こうした形式は社内報告にも応用しやすいフォーマットです。グラフは「縦軸・横軸の単位を揃える」「色で導入前・導入後を対比させる」「差分値を大きく表示する」の3点を意識すると、一目で結論が伝わる資料になります。
A1. 屋根裏温度・屋根下の暖気塊温度・作業高さの室温・外気温の4点を同時に測ると、屋根からの遮熱効果と現場の体感を両方把握できます。
A2. 真夏の晴天時に少なくとも数日、可能であれば1週間(168時間)連続測定すると、日ごとのブレをならして傾向をつかみやすくなります。
A3. T型熱電対や温度ロガーによる自動記録が標準的で、補助的にサーモグラフィーやサーマルドローンで屋根表面温度分布を撮影すると、視覚的な説得力が高まります。
A4. 実証実験では屋根裏最大9℃、暖気塊約4℃、室温4〜9℃低下といった結果が多く、これに近い温度低下が確認できれば、一般的には十分な効果があったと判断できます。
A5. 空調系統の電力量を導入前後同時期で比較し、外気温や稼働条件をそろえたうえで、kWhと電気料金の削減率を算出すると、投資回収年数の算出に活用できます。
A6. 温度と電力のグラフに加え、WBGTや熱中症件数・残業時間なども1枚の資料にまとめ、「暑さ対策×省エネ×働き方」の三方向で成果を示すと経営層に伝わりやすくなります。
A7. 当社は「導入前に測定すべき温度データと取得方法」や「働き方改革につなげる効果検証」の記事を公開しており、導入検討時に測定ポイント・期間・分析の進め方についてもご相談いただけます。
A8. 空調電力(kWh)、電気料金、WBGT、残業時間、不良率、熱中症・体調不良の件数などをセットで記録しておくと、次の投資や他拠点への展開検討にも使える”資産データ”になります。
工場のサーモバリア効果測定で判断基準として重要なのは、「屋根裏・屋根下・作業高さ・外気」の4点温度と、「空調電力・稼働条件」を導入前後で同条件比較し、温度差と削減率を数値で示すことです。
静岡大学や各種検証のデータでは、遮熱シート導入により屋根裏最大9℃低下、室温4〜9℃低下、冷房電力18〜27%削減といった効果が報告されており、自社工場の温度・電力データを評価する際の目安として活用できます。
効果測定で集めたデータは、一度の社内報告で終わらせるのではなく、次年度以降の他拠点展開や関連設備への投資判断にも活用できる”資産”となります。温度・電力・働き方の三軸データを継続的に蓄積することで、設備投資の優先順位付けや補助金申請の根拠資料としても再利用でき、長期的な省エネ戦略の基盤になります。
日本いぶし瓦は、サーモバリア導入前の測定計画から、導入後の温度・電力・働き方の効果測定、グラフ化・社内報告資料づくりまで含めて、暑さ対策を「数字で検証して次の一手につなげる」プロセスをこれからも支えてまいります。
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