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医薬品・化粧品倉庫の温度管理|保管基準を守るための注意点と進め方

医薬品・化粧品倉庫の温度管理|保管基準を守るための注意点と進め方 | ブログ

温度記録が求められる倉庫で、屋根から何ができるのか

医薬品や化粧品の保管では、温度の逸脱そのものが問題になります。日本薬局方では常温を15〜25℃、室温を1〜30℃と定めており、製品ごとに指定された条件を守る必要があります。空調で管理するのが前提ですが、屋根から熱が入り続ける建物では、夏のピーク時に上限を超えるリスクが残ります。

温度記録を見返すと、夏場の午後だけ数値が跳ね上がっている。空調は動いているのに、上限に近づく日がある。「逸脱していないから問題ない」と言いつつ、記録を提出する立場としては落ち着かない。設備を増強すれば電気代が上がり、それでも屋根が焼けている限りピークは抑えきれない。この記事では、保管基準を守るという観点から、建物側でできる対策とその位置づけを整理します。空調の増強とは別のアプローチです。

【この記事のポイント】

医薬品・化粧品の保管倉庫における温度管理を、建物の観点から整理します。本記事では、保管条件として定められている温度区分、温度が逸脱しやすい条件、温度マッピングの考え方、屋根の遮熱がピーク抑制に果たす役割、そして記録と検証の進め方を扱います。品質保証部門への説明にも使える形でまとめました。

今日のおさらい:要点3つ

  • 日本薬局方では常温15〜25℃、室温1〜30℃と定義。製品ごとの指定条件を守る。
  • 逸脱が起きやすいのは夏の午後、屋根直下と最上段の棚。空調の届きにくい場所。
  • 屋根の遮熱は熱負荷を下げる対策。空調の代替ではなく、ピークを抑える土台。

この記事の結論

一言でいうと、遮熱は逸脱リスクを下げる土台になります。最も重要なのは、空調の能力を上げることと、建物に入る熱を減らすことを分けて考える点です。屋根から入る熱が減れば、同じ空調でもピーク時の余裕が生まれる。設備を増強しても、熱の入口が開いたままでは根本の負荷は変わりません。順序としては、熱を減らすほうが先になります。

保管条件として何が求められるか

温度区分の定義

日本薬局方では、標準温度を20℃、常温を15〜25℃、室温を1〜30℃、微温を30〜40℃と定めています。「冷所」は別に規定されており、指定がない場合は1〜15℃とされます。医薬品はこの区分に基づいて保管条件が指定されるため、まず自社が扱う製品の指定条件を確認することが出発点になります。

化粧品の場合

化粧品には医薬品ほど厳密な法定の温度区分はありませんが、高温では乳化の分離、変色、香りの変質などが起こり得ます。メーカーが定める保管条件や、取引先との取り決めがある場合はそれに従う必要があります。品質保証の観点では、実質的に同じ管理が求められることも少なくありません。

記録と説明責任

温度を記録し、逸脱があった場合の対応手順を定めておくことが求められます。監査や取引先の確認で記録の提出を求められる場面もある。つまり、実際に品質が保たれていたかどうかだけでなく、それを示せるかどうかが問われます。

温度マッピングという考え方

倉庫内の温度は場所によって違います。空調の吹き出し口の近くと、屋根直下の最上段では条件がまったく異なる。複数点で測定し、庫内の温度分布を把握しておくことを温度マッピングと呼びます。どこが最も厳しい条件かを知らなければ、対策の的も絞れません。

これらを踏まえると、温度管理は「守れているか」だけでなく「守れていることを示せるか」の問題でもあります。設備を整えるのと同時に、記録と検証の仕組みを持っておく必要がある。建物側の対策を検討する際も、その効果を記録で示せる形にしておくことが重要になります。

逸脱が起きやすい条件

夏の午後、屋根直下

最も条件が厳しくなるのが、真夏の午後、屋根に近い高さです。日射で高温になった屋根材が熱を輻射し、天井付近に熱の層ができる。ラック倉庫では最上段がここに近く、下段との差が大きくなります。マッピングを行うと、この場所が最高温度を記録することが多くなります。

空調の能力と気流の届き方

空調機の能力が十分でも、気流が届かない場所は冷えません。荷物の積み方、ラックの配置、シャッターの位置。庫内のレイアウトが変わると温度分布も変わります。設備を増やす前に、まず分布を把握することが重要です。

開口部からの流入

入出庫のたびにシャッターを開ければ、外気が入ります。夏の日中は特に影響が大きい。エアカーテンやビニールカーテンで抑える方法もありますが、まずは開放時間の運用を見直すことが先になります。

停電・空調停止時のリスク

空調が止まったとき、庫内の温度がどのくらいの速さで上がるか。これは建物の熱容量と外部からの熱の入り方で決まります。屋根からの熱を減らしておけば、上昇の速度は緩やかになる。事業継続の観点でも意味のある備えです。

逸脱のリスクは、複数の条件が重なったときに現れます。真夏の午後で、入出庫が重なり、空調の気流が届きにくい最上段。単独では問題にならなくても、条件が揃うと上限に近づく。だからこそ、そのうちのひとつでも減らしておく意味があります。

建物側でできる対策と、その位置づけ

屋根からの輻射熱を止める

外皮のうち屋根の面積が最も大きく、一日中日射を受けます。当社のスカイ工法では輻射熱を約97%カットし、夏の室内温度を最大−11℃まで下げた実績があります。建物条件により幅がありますが、天井付近のピーク温度を抑える効果が期待できます。逸脱リスクが最も高い場所に直接効く対策です。

空調の代替ではないという前提

ここは明確にしておく必要があります。遮熱は熱を入れない対策であり、設定温度まで冷やす設備ではありません。指定された温度帯を維持するには空調が必要です。遮熱の役割は、その空調が無理なく能力を発揮できる状態をつくることにあります。

空調負荷の軽減という副次効果

熱負荷が下がれば、消費電力も下がります。当社の実績では最大約30%の削減例もありますが、稼働時間や設備構成によって変わります。品質管理を主目的としつつ、運転コストの改善も併せて説明できると、稟議は通しやすくなります。

施工時の庫内への影響

屋根の上からの施工が基本のため、庫内の荷物を移動する必要は通常ありません。300㎡までの屋根であれば最短1日を目指しますが、建物条件によって日数は変わります。医薬品倉庫では庫内の作業に制約があることも多く、外部からの施工で完結する点は実務上の利点になります。

温度管理を見直した現場

ケース1:最上段の温度を根拠に投資を決めた倉庫

愛知県の保管倉庫では、温度マッピングを実施した結果、最上段と下段で大きな差があることが判明しました。夏場の午後は上限に近い数値を記録する日もあり、これを根拠に屋根の遮熱を実施。翌夏、最高温度が下がったことを記録で確認しています。担当の方は「数字があったから通せた」と話していました。

ケース2:開口部の運用から改善した倉庫

岐阜県の倉庫では、まず費用のかからない対策から着手しました。入出庫のシャッター開放を作業単位で区切り、開けたままにしない運用に変更。それだけでも午後の温度上昇が緩やかになったため、効果を確認したうえで屋根の対策に進んでいます。

検討した企業が確認していたのは「記録で示せるか」

品質保証を担当される方から必ず聞かれるのが、効果を記録で示せるかという点です。施工前後で同じ条件の温度データを比較する。この形で残せるかどうかが、社内の判断材料になっていました。事前の測定があるほど、検証は正確になります。

屋根の状態確認も同時に

保管倉庫では、雨漏りが品質事故に直結します。屋根の遮熱を検討する際は、同時に屋根そのものの状態も確認しておいてください。サビの進行、ボルト部の劣化、トップライトの状態。当社のスカイ工法には折板屋根特有の雨漏りを防ぐ効果もありますが、既に進行した雨漏りは原因の補修が先になります。温度と防水を一度に見られるのは、屋根を本業とする会社の利点です。

よくある質問

Q1. 医薬品の保管温度はどう定められていますか?

日本薬局方で常温15〜25℃、室温1〜30℃などと定義されています。製品ごとの指定条件に従ってください。

Q2. 遮熱工事で温度管理はできますか?

遮熱は熱を入れない対策で、設定温度まで冷やす設備ではありません。空調と組み合わせて使います。

Q3. どこの温度が上がりやすいですか?

夏の午後、屋根に近い高さです。ラック倉庫では最上段が最も厳しい条件になりやすい傾向があります。

Q4. 温度マッピングは必要ですか?

庫内の分布を把握するために有効です。最も条件の厳しい場所を知らなければ対策の的が絞れません。

Q5. 施工中に庫内へ影響はありますか?

屋根の上からの施工が基本のため、通常は荷物の移動も不要です。建物条件により調整する場合があります。

Q6. 空調の電気代は下がりますか?

熱負荷が下がる分の削減が期待できます。最大約30%という実績もありますが稼働条件で変わります。

Q7. 停電時のリスクにも効果がありますか?

外部からの熱の入り方が緩やかになるため、温度上昇の速度は抑えられます。事業継続の備えとしても有効です。

Q8. 効果を記録で示せますか?

施工前後で同条件の温度を比較すれば示せます。事前の測定データがあると精度が上がります。

まとめ

医薬品・化粧品の保管では、温度の逸脱そのものがリスクになります。空調で管理するのが前提ですが、屋根から熱が入り続ける建物では夏のピークを抑えきれないことがある。屋根の遮熱は、その熱負荷を下げる土台です。まず温度マッピングで分布を把握し、最も条件の厳しい場所を確認するところから始めてください。

日本いぶしは岐阜県岐阜市で創業100年以上、施工実績10万件以上を重ねてきた屋根工事の専門会社です。効く範囲と効かない範囲を分けてご説明します。現地調査・お見積りは無料。「記録で説明できる形にしたい」というご相談で構いません。0120-548-124、受付は平日8:00〜18:00です。

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