2026.02.16
投稿日:2026.02.17
工場で働く従業員の安全と、安定した生産体制を守るうえで、熱中症対策は欠かせないテーマです。
近年の猛暑や地球温暖化の影響により、夏場の工場内は危険なレベルまで温度・湿度が上がるケースも増えており、放置すると労働災害や生産性低下につながるリスクがあります。
さらに、2025年6月以降は職場における熱中症対策が省令改正により実質的に義務化され、一定の暑熱環境下では具体的な対策を講じることが求められます。
従業員の命と健康を守ることはもちろん、罰則リスクや企業イメージの低下を防ぐ意味でも、今のうちから計画的に対策を進めることが重要です。
目次
工場では、一般的なオフィスや屋外作業とは異なる、熱中症リスク特有の要因が重なります。
こうした条件が重なることで、工場内は高温多湿となり、体内の熱が逃げにくい環境になります。
体を動かすほど代謝熱が増え、発汗量も多くなるため、同じ温度でも作業負荷が軽い職場に比べて熱中症リスクが高まります。
とくに天井付近や上階、窓のない作業エリアでは、気づかないうちにWBGT値(暑さ指数)が危険レベルまで上がっていることもあります。
同じ作業・同じ環境でも、個々のコンディションによって熱中症のなりやすさは大きく変わります。
軽症段階では、以下のような症状が現れます。
重症化すると、次のような危険な状態に陥ることがあります。
このレベルになると命に関わるため、ただちに救急要請が必要です。
従業員が熱中症を発症すると、以下のような影響が発生します。
「1人の問題」ではなく、工場全体・企業全体の損失につながる点がポイントです。
事業者は、労働者の安全と健康を確保するために必要な措置を講じる義務(安全配慮義務)を負っています。
熱中症も労働災害の一種であり、事前に予測可能なリスクとして、対策を怠ると法的責任を問われる可能性があります。
2025年6月からの改正労働安全衛生規則では、以下のような環境下で行う作業について、熱中症対策が義務化されます。
対象となる事業者は規模を問わず、すべての工場・倉庫・建設現場などが含まれます。
対策を怠った場合、6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金といった罰則が科される可能性もあります。
厚生労働省は、毎年「職場における熱中症予防対策」に関する通達やマニュアルを公表しており、事業者に次のような取り組みを求めています。
工場で設備を導入するだけでなく、運用ルールと教育をセットで整えることが求められています。
ここからは、工場で導入しやすい代表的な設備と、その特徴・メリットを紹介します。
スポットクーラーは、冷やしたいポイントだけに冷風を届ける局所冷房機器です。
特に、高温機械の周辺やライン作業の集中エリアなど、「ここだけはどうしても暑い」という場所に有効です。
大型扇風機は、強い風を広範囲に送り出し、体感温度を下げるための設備です。
天井高のある工場では、シーリングファンや天吊り型ファンとの組み合わせも効果的です。
屋根用スプリンクラーは、屋根に散水して気化熱で屋根温度を下げるシステムです。
遮熱塗料や遮熱シートと組み合わせることで、さらに高い遮熱効果を得ることも可能です。
ビニールカーテンは、工場内の空間を間仕切りして、空調効率を高めるための設備です。
「工場全体を冷やすのはコストが重い」という場合でも、重点エリアだけを効率よく冷やすことができます。
給排気フード(吸排気フード)は、機械から発生する熱や蒸気、煙などを効率よく屋外へ排出する設備です。
特に溶接・塗装・加熱工程など、局所的に高温・高湿になる工程では、優先的な導入候補になります。
自動空調システムは、温度・湿度・CO₂濃度などをセンサーで測定し、自動制御する空調システムです。
暑さ指数(WBGT値)計測器と組み合わせれば、「WBGT◯度以上で警報・休憩」「◯度以上で空調強運転」などの運用も可能です。
設備を入れるだけでは、熱中症対策は不十分です。工場全体として、運用・教育・ルールづくりをセットで行うことが大切です。
工場の熱中症対策は、従業員の生命と健康を守るだけでなく、安定した生産と企業の信頼を守るための重要な投資です。
スポットクーラー・大型扇風機・屋根用スプリンクラー・ビニールカーテン・給排気フード・自動空調システムなど、工場の現状に合った設備を組み合わせることで、無理なく効果的な暑さ対策が可能になります。
加えて、WBGTの見える化、休憩・水分補給のルールづくり、教育・啓蒙、暑熱順化などの運用面を整えることで、熱中症リスクを大きく下げることができます。
「法令対応」だけで終わらせず、「従業員が安心して働ける工場づくり」の一環として、計画的な熱中症対策を進めていきましょう。
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