2024.09.26
投稿日:2024.09.11
チラー配管とは?選び方と閉塞運転を防止するためのポイント
チラー配管の選定や施工は、建物の冷却システム全体のパフォーマンスを左右する重要な要素です。
適切な配管を選定し、閉塞運転を防ぐための対策を講じることで、設備の効率性、安全性、そして長寿命化を実現できます。
この記事では、チラー配管の選び方と閉塞運転による破損リスクを低減するための対策を解説します。
目次
□チラー配管の選び方
チラー配管は、冷却水を建物の各設備に送り届ける重要な役割を担います。
そのため、用途や規模に合わせて適切なサイズ、材質、流量の配管を選択することが重要です。
1: サイズ
配管のサイズは、冷却水の流量や圧力、配管の長さなどを考慮して決定します。
小さすぎる配管は、冷却水の流量不足による冷却効率の低下やポンプの負荷増加につながります。
一方、大きすぎる配管は、初期費用が高くなるだけでなく、空調効率の低下やエネルギー消費量の増加を招く可能性があります。
2: 材質
チラー配管の材質には、銅管、ステンレス管、塩ビ管などがあります。
それぞれの材質には、耐腐食性、耐熱性、コストなど、さまざまな特性があります。
使用する冷却水の種類や環境条件などを考慮して適切な材質を選択する必要があります。
3: 流量
冷却水の流量は、建物の冷却負荷や配管の長さ、配管内の摩擦抵抗などを考慮して決定します。
流量が不足すると、冷却効率が低下し、設備の性能が低下する可能性があります。
一方、流量が多すぎると、ポンプの負荷が大きくなり、エネルギー消費量が増加します。
□チラー配管の閉塞運転を防止するためには?
チラー配管では、閉塞運転によるポンプや熱交換器の破損リスクを低減するために、バイパス回路の設置が不可欠です。
バイパス回路は、ポンプが停止した場合でも冷却水が循環できるように、配管の一部を迂回させるための回路です。
1: バイパス回路の必要性
チラー配管が閉塞すると、ポンプが過負荷状態となり、最悪の場合、ポンプや熱交換器が破損する可能性があります。
また、冷却水が滞留することで、熱交換器内で水が凍結し、破損するリスクもあります。
バイパス回路を設置することで、これらのリスクを大幅に軽減することができます。
2: バイパス回路の設置方法
バイパス回路の設置には、いくつかの重要なポイントがあります。
・ 流量調整機能を持つグローブバルブを使用する
バイパス回路には、流量を調整できるグローブバルブを使用することが重要です。
ボールバルブなどのオンオフ式のバルブを使用すると、流量を調整できず、閉塞運転のリスクが残ります。
・ フレキシブルホースで配管長さを調整する
チラーユニットの循環水行・戻の配管位置は固定されている場合が多く、バイパス部の長さを調整することは難しいです。
そのため、フレキシブルホースを使用することで、簡単に配管施工を行うことができます。
□まとめ
チラー配管は、建物の冷却システムにおいて重要な役割を担います。
適切なサイズの配管を選択し、閉塞運転を防ぐためのバイパス回路を設置することで、設備の効率性、安全性、そして長寿命化を実現できます。
この記事で紹介した内容を参考に、チラー配管の選定と施工について理解し、メンテナンスや交換工事に役立ててください。