2026.10.07
投稿日:2026.10.01
折板屋根は、固定方法で3種類に分かれます。重ね式、嵌合式、馳締め式です。見分ける鍵は、屋根の表面にボルトの頭が見えているかどうか。ボルトが出ていれば重ね式、出ていなければ嵌合式か馳締め式です。この違いは、雨漏りの起きやすさにも工事の進め方にも直結します。
工場の屋根の話になると、必ず出てくる言葉があります。「折板ですか、それとも…」。図面が残っていない建物も多く、そもそも自分の会社の屋根がどのタイプかを知らないまま数十年が過ぎている、というのはよくあることです。業者と話していても、専門用語が並んで話についていけない。「聞き返すのも今さらな気がする」「でも分からないまま見積を判断していいのか」。そのもやもやを抱えたまま検討を進めるのは、やはり不安が残ります。この記事では、地上からでも判別できる見分け方と、種類ごとの弱点、そして遮熱工事や補修にどう影響するのかを整理します。
目次
折板屋根は、金属の板を山と谷の形に曲げて強度を持たせた屋根です。工場や倉庫でもっとも多く使われています。本記事では、重ね式・嵌合式・馳締め式という3つの固定方法の違い、板厚や山高といった仕様の見方、種類ごとに雨漏りが起きやすい箇所、そして遮熱シートの施工との相性を整理します。あわせて、図面がない建物でどう確認するかも説明します。
一言でいうと、屋根の表面を見れば種類は分かります。最も重要なのは、ボルトが露出しているかどうか。重ね式はボルトのパッキンが劣化すると、そこから水が入ります。嵌合式や馳締め式は屋根面に穴が少なく、その分だけ雨漏りのリスクが下がる。自社の屋根がどれかを知っていれば、点検すべき場所も、業者の説明の妥当性も判断できます。
山の頂点にボルトを通し、下地のタイトフレームに固定する方法です。屋根の上を見ると、規則正しくボルトの頭が並んでいます。施工が早く、コストも抑えられるため、古くから多くの工場で採用されてきました。弱点は、そのボルト部です。パッキンが経年で硬化すると、そこから水が入る。実は、工場の雨漏りの起点として最も多いのがこの部分です。
屋根材同士をはめ込み、上からキャップをかぶせて固定します。屋根面にボルトの頭が出ないため、見た目がすっきりしていて、雨水の侵入経路も少なくなります。重ね式より材料費は上がりますが、防水性では有利です。近年に建てられた建物や、改修で葺き替えた屋根に多く見られます。
屋根材の端を専用の機械で巻き込み、締めて固定する方法です。こちらも屋根面に穴が開きません。勾配の緩い屋根でも使いやすく、防水性は高い。ただし、施工には専用機械と経験が必要です。ケースによりますが、大型の倉庫やスパンの長い建物で採用されることが多い工法です。
種類とは別に、板の厚さと山の高さも重要です。板厚は0.6mmや0.8mmが一般的で、厚いほど強度が上がります。山の高さは88mm、150mmなど。山が高いほど雨水の処理能力が上がり、緩い勾配にも対応できます。見積書にこうした数字が書かれていれば、それは仕様を明示している誠実な見積です。
一番簡単な方法です。地上から見上げる、二階の窓から見下ろす、あるいはスマートフォンの望遠で拡大する。規則的な点が並んで見えたら、それがボルトの頭です。見えなければ嵌合式か馳締め式の可能性が高い。屋根に自分で上がる必要はありません。高所作業には法令上の措置が必要です。
折板屋根には、働き幅という規格があります。山のピッチが一定であれば折板屋根です。波形のなだらかな屋根なら、スレート屋根の可能性があります。スレートは古いものだとアスベストを含む場合があるため、取り扱いに配慮が必要になります。
昭和から平成初期に建てられた工場は、重ね式が多い傾向にあります。近年の建物や、改修済みの屋根では嵌合式も増えています。あくまで傾向ですが、判断の補助にはなります。図面が残っていれば、屋根伏図に品番が書かれていることもあります。
正直なところ、写真だけでは判別しきれないこともあります。よくあるのが、増築を繰り返して棟ごとに種類が違うケース。当社の現地調査では、屋根に上がって種類、板厚、山高、下地の状態まで確認し、写真に残してお渡ししています。調査は無料です。
なお、屋根の種類が分かると、業者との会話も一気に楽になります。「重ね式の板厚0.6、山高88です」と言えれば、電話の段階で概算の話ができる。逆に「たぶん折板です」だけだと、どうしても現地を見るまで話が進みません。一度調べておけば、次の工事でも使える情報です。
ボルトのパッキン劣化、サビ、緩み。この3点が主な劣化要因です。数年に一度は状態を確認しておきたいところで、必要ならボルトキャップを被せて保護する方法もあります。遮熱シートを施工する際も、まずこのボルト部の状態を確認します。
屋根面に穴が少ない分、弱点は端に集まります。棟、けらば、軒先といった役物の取り合い部分です。ここの処理が甘いと、風でめくれたり、水が回り込んだりします。台風の後に確認すべきなのも、まずこの部分になります。
結論としては、3種類のいずれでも施工可能です。当社のスカイ工法では、屋根の上から遮熱シートを張り、輻射熱を約97%カットします。ただし固定方法は種類によって変わるため、事前の確認が欠かせません。300㎡までの屋根であれば最短1日での施工を目指していますが、これも屋根形状によります。
種類にかかわらず、タイトフレームや母屋が腐食していれば、まず補修が必要です。上からシートを張っても、固定する下地が効かなければ意味がありません。屋根の種類の確認と同時に、下地の健全性も見ておく必要があります。
岐阜県の金属加工工場では、A棟が重ね式、増築したB棟が嵌合式でした。担当の方は「同じ工場だから同じだと思っていた」と驚かれていました。結果として、A棟はボルト部の補修を含めた見積、B棟は端部の点検を中心にした見積となり、金額の内訳もまったく違うものになりました。
愛知県の倉庫では、原因不明の雨漏りが数年続いていました。調査したところ、重ね式のボルト部のパッキンが広範囲で劣化していた。担当の方は「屋根全体を替えるしかないと言われたこともあった」と話していましたが、実際にはボルト部の処置と部分補修で対応できました。原因が特定できれば、工事の規模も変わります。
複数社に相談した方から聞いた話です。現地調査のあと、屋根の種類と板厚を具体的に説明できた会社と、「折板ですね」で終わった会社があった。前者を選んだ理由を、その方はこう言っていました。「うちの屋根をちゃんと見た人と、見ていない人の差が出た」。
固定方法で重ね式・嵌合式・馳締め式の3種類に分かれます。屋根面にボルトが出ているかで見分けられます。
地上や窓から屋根面を見て、ボルトの頭が並んでいるかを確認します。屋根に上がる必要はありません。
ボルトが露出する重ね式は、パッキン劣化による浸入が起きやすい傾向があります。定期的な点検が有効です。
板厚は強度、山高は排水能力に関わります。0.6mmや0.8mm、山高88mmや150mmが一般的な仕様です。
いずれの種類でも施工可能です。ただし固定方法が変わるため、現地調査での確認が前提になります。
現地調査で実際に確認します。種類、板厚、山高、下地の状態まで見て、写真とともにご報告します。
折板は金属で山谷が規則的、スレートは波形のセメント系です。古いスレートはアスベストへの配慮が必要です。
可能です。現地調査は無料で、種類と現況の報告だけをご希望の場合もお受けしています。
折板屋根は、重ね式・嵌合式・馳締め式の3種類。見分ける鍵は、屋根面にボルトが出ているかどうかです。重ね式ならボルト部の点検が要になり、嵌合式や馳締め式なら端部と役物が要注意になる。自社の屋根の種類を知っておくだけで、点検すべき場所も、業者の説明の妥当性も判断できるようになります。
日本いぶしは岐阜県岐阜市で創業100年以上、施工実績10万件以上を重ねてきた屋根工事の専門会社です。100年前から続くからこそ、昔ながらの屋根も知り尽くしています。現在の屋根の状態に合わせて、最適な工事をご提案します。現地調査・お見積りは無料。「うちの屋根がどのタイプか知りたい」というご相談からで構いません。0120-548-124、受付は平日8:00〜18:00です。
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