2026.10.31
投稿日:2026.11.01
建物の解体や改修を行うとき、アスベストの事前調査は法令上の義務です。2022年4月からは一定規模以上の工事で調査結果の報告が必要になり、2023年10月以降は有資格者による調査が求められています。対象かどうかは、工事の規模と建物の着工時期で判断します。屋根だけの工事でも例外ではありません。
古い工場の屋根を改修しようと調べ始めると、必ずアスベストという言葉に行き当たります。波形のスレート屋根なら、なおさらです。「うちの屋根は含まれているのか」「調べるだけで費用がかかるのか」「報告しないとどうなるのか」。法令の説明を読んでも、自社が対象なのかが分からない。見積にも「事前調査費」という項目があり、必要なものなのか過剰なのかも判断できない。この記事では、どんな工事で何が義務になるのか、屋根材のアスベストはどの区分に当たるのかを整理します。
目次
アスベストの事前調査は、大気汚染防止法と石綿障害予防規則に基づく義務です。本記事では、調査が必要になる工事の範囲、報告が必要になる規模の基準、有資格者による調査という要件、屋根材が該当する区分とその扱い、そして既存屋根を残す工法がどう位置づけられるかを整理します。制度は改正が重ねられているため、実際の判断は所轄の窓口や有資格者への確認が前提になります。
一言でいうと、まず建物の着工時期を確認してください。2006年9月1日以降に着工した建築物であれば、石綿含有建材は原則として使われていません。それ以前の建物であれば、屋根材を含めて調査の対象になり得ます。そのうえで、工事の規模が報告基準に当たるかを確認する。この二段階で、自社が何をすべきかはほぼ整理できます。
建築物の解体や改修を行う場合、石綿含有建材の有無を事前に調査することが義務づけられています。これは工事の規模に関わらず必要なもので、小規模な補修であっても対象から外れるわけではありません。調査結果は記録として保存し、現場に掲示することも求められます。見積に事前調査の項目があるのは、この義務に基づくものです。
調査に加えて、一定規模以上の工事では結果を行政へ報告する必要があります。解体工事では対象部分の床面積、改修工事では請負金額が基準となり、電子システムによる報告が原則とされています。工場の屋根改修は面積が広く金額も大きくなりやすいため、報告の対象になる可能性が高い工事です。基準の詳細は改正されることがあるため、着工前に確認してください。
事前調査は、建築物石綿含有建材調査者などの資格を持つ者が行うことが求められています。つまり、誰でも見て判断してよいものではありません。見積の事前調査費が誰による調査なのかを確認すると、その会社が制度を踏まえているかが分かります。資格の有無を尋ねることは、失礼な質問ではありません。
石綿を一定濃度以上含む建材は製造・使用が禁止されており、2006年9月1日以降に着工した建築物には原則として使われていません。設計図書や竣工年が分かれば、この時点で判断が進みます。ただし、その後に増築や改修を行っている場合は、部分ごとに時期が異なることもあります。建物全体でひとくくりにしないことが重要です。
ここまでを整理すると、確認の順番は「着工時期 → 工事の規模 → 調査の方法」となります。この順で見ていけば、自社が何をすべきかは絞り込めます。逆に、制度の条文から読み始めると、どこが自社に関係するのかが分からないまま時間が過ぎてしまいます。
工場や倉庫で使われてきた波形のスレート屋根は、セメントに繊維を混ぜて成形した建材です。石綿を含む製品が使われていた時期があり、含有する場合は成形板、いわゆるレベル3に区分されるのが一般的です。吹付け材や断熱材に比べると飛散しにくい区分ですが、切断や破砕を行えば粉じんが発生する可能性があります。
石綿含有成形板は、原則として切断や破砕を行わず、原形のまま取り外すこととされています。やむを得ず切断する場合は、湿潤化や呼吸用保護具の使用など、定められた措置が必要です。つまり、同じ屋根の工事でも、どう扱うかによって必要な手間と費用が変わってくるということです。
石綿を含む建材を撤去した場合、産業廃棄物として適正に処理する必要があり、通常の廃材より処分の負担が大きくなります。屋根の面積が広い工場では、この費用が総額に与える影響も小さくありません。葺き替えの見積が想定より高く出る理由として、ここが関係していることがあります。
既存の屋根を撤去せず、上から新しい屋根材や遮熱シートを施工する方法があります。石綿含有建材に手を加える範囲を抑えられるため、飛散の懸念と処分費の両面で検討される選択肢です。日本いぶしは100年以上屋根工事を続けてきた会社として、他社では対応が難しいスレート屋根への遮熱施工も手がけており、既存屋根を残す工法はその一つにあたります。ただし下地が荷重を支えられることが前提になります。
なお、石綿を含むかどうかは、見た目では判断できません。同じような波形の屋根でも、製造時期や製品によって異なります。「古いから含まれている」とも「きれいだから含まれていない」とも言えない。だからこそ、資料の確認と有資格者による調査という手順が定められています。
竣工年、設計図書、過去の改修履歴、使用建材の資料。これらが手元にあるかどうかで、調査の進め方が変わります。資料で判断できる部分があれば、分析にかかる手間を減らせることもあります。工場では書類の保管場所が分からなくなっていることも多いため、この機会に一か所へまとめておくと次の工事でも役立ちます。
事前調査費が誰による調査なのか、分析を行う場合の費用はどこに入っているのか、報告の手続きは誰が行うのか。この3点を確認してください。一式でまとめられていると、何が含まれているかが読めません。制度上必要な手続きである以上、内訳として示せるはずの項目です。
撤去を伴う葺き替え、既存屋根を残すカバー工法、上から遮熱シートを施工する方法。それぞれで石綿含有建材の扱いが変わり、費用も工期も変わります。どれが適するかは屋根の劣化状況と下地の健全性で決まるため、現地調査の結果を踏まえて比較するのが順当な進め方です。
調査や報告の手続きには日数がかかります。分析が必要になれば、さらに時間が必要です。着工日から逆算せずに進めると、想定していた時期に工事ができないということが起こります。年度内に終えたい工事であれば、この手続き期間を含めてスケジュールを組んでください。
石綿障害予防規則は、作業する人の環境を守るための規則です。発注する側にとっても、適切な措置を取る業者を選ぶことは、現場で働く人を守ることにつながります。費用を抑えるために手順を省くという選択は、結果として誰の利益にもなりません。
解体・改修工事では規模を問わず調査が義務です。あわせて一定規模以上の工事は行政への報告が必要になります。
まず着工時期を確認してください。2006年9月1日以降に着工した建築物には、原則として石綿含有建材は使われていません。
波形スレートなどの成形板は、含有する場合レベル3に区分されるのが一般的です。切断や破砕を避ける扱いが求められます。
建築物石綿含有建材調査者などの有資格者が行います。見積の段階で、誰による調査かを確認してください。
既存屋根を残して上から施工する方法があります。石綿含有建材に手を加える範囲を抑えられる点が検討されます。
資料で判断できる範囲と分析が必要な範囲で変わります。着工日から逆算して早めに着手するのが安全です。
法令上の義務であり、違反すると罰則の対象となり得ます。手続きを誰が行うかを契約前に明確にしてください。
可能です。現況の確認と、どの工法が選べるかの判断材料をお出しできます。現地調査・お見積りは無料です。
アスベストの事前調査は、工事の規模を問わず義務であり、一定規模以上では行政への報告も必要です。判断の順序は明快で、まず建物の着工時期、次に工事の規模。この2点を確認すれば、自社が何をすべきかは整理できます。そして屋根材が成形板に当たる場合、扱い方によって費用も手間も変わります。
制度は改正が重ねられているため、最終的な判断は所轄の窓口や有資格者への確認が前提になります。そのうえで、自社の屋根でどの工法が選べるのかを知っておくと、計画が立てやすくなります。日本いぶしでは岐阜・愛知を中心に工場・倉庫の屋根を扱っており、現地調査とお見積りは無料です。まず屋根の現況を確認したいという段階でも、0120-548-124(平日8:00〜18:00)までご相談ください。
2026.10.31
2026.10.30
2026.10.29
工場・倉庫の新たな暑さ対策
「スカイ工法」の施工なら
100年以上続く屋根工事会社、日本いぶしにお任せください。